浪漫草紙

~生れる前の昔恋しき~

「まひるの月を追いかけて」~偏愛~

最近、寝る前に恩田陸の「まひるの月を追いかけて」を少しずつ読んでいる。

これは寝る前にちょうど良い小説だと思う、読むのが至福、自分で思っていた以上に、わたしはこの小説が大好きらしい。

「ユージニア」と有吉佐和子の「青い壺」と共に、かつて持っていて、売ってしまったけど、また買い直してよかったと思う本。

恩田陸作品は引き込まれて、一気読みしたものも多かったけど、これは、ちまちま、ダラダラ?読むのがいいのかもしれない。

ほかの作品もそうだが、湿度の高い、ジメジメ、膜が掛かってモヤモヤした、スッキリしない作品(ほめ言葉)。明快な物語より、そんなのが好きなのかもしれない。

単行本では不穏な鉛色の空の写真(絵?)が表紙だったけど、この文庫本の装画が好き。

橘寺へと向かう長閑な一本道、プロローグに、水晶玉の外側から誰かに見守られているような、とあるように、少し魚眼風に描かれている。

これを読むと、この本の通りに奈良をめぐりたくなる、そんな小説。
「ユージニア」も読めば金沢に行ってみたくなるけど、あれは地名がイニシャル表記だったり、街の描写はそんなに詳しくないと思うが、この「まひる」は奈良というところが詳しく具体的に書かれている。
ある種の奈良ガイド。2時間ドラマみたいなこともないのに、旅情を掻き立てられる。
とにかく、明日香村へ…橘寺へ行きたくなる。金沢へ行くほどの行動力はないけど、奈良なら行こう…いや、当分、奈良へは行きたくないと思っていたけど、奈良市内じゃないし…とか思ってる。

明日香村へは小学校の遠足で行ったな…レンタサイクルを借りたけど、慣れない自転車に乗るのが苦手で体がガチガチになったことだけ覚えている。

間に入るおとぎ話も良いし、佐野史郎の解説も良い。

その解説によると佐野史郎は、監督依頼があって、この作品を手に取った、とあるが…その後どうなったのか凄く気になる。見たい!検索してみたけど、映像化はされていない?佐野史郎の監督作品というのもあまり引っかからなかった。