浪漫草紙

~生れる前の昔恋しき~

読書

グリム童話「ミリー」

四天王寺の古本まつりで表紙の絵に惹きつけられて買った1冊の絵本(その店は1冊400円、3冊で1000円という店だったので、ほかにもなんかないか?と絵本ばかりをかなり漁った)

可愛い古本その2~ちひろ・小鳥~

こんな本が欲しいと思って行っても、何が見つかるかわからない、それが古本まつりの醍醐味、ってことで…昨日買った可愛い本その2。

春の大古本祭り~予測不能~

四天王寺の古本まつりへ行ってきた。朝の10時過ぎには着いていた。(何、気合入ってん!笑)今回は余裕をもって、休憩もしつつ、じっくり見て回ろうと思っていた。

ブックカバーの話~革・帆布・デニム・麻~

ブックカバーが好きである。ブックカバーのコレクション的な記事や読書グッズについての記事を読むのが好きなので自分でも書いてみようと思う。(って、ウォークマンの時にもこんな書き出しだった、そしてウォークマンの記事はいまだにアクセス上位)

夢二に耽溺す~生れる前の昔恋しき~

風は桜色から萌黄色へと移りゆき、若葉芽ぶき、野は蒲公英の黄に染まり、天然の絵具の色彩豊かにさらに光り輝く季節は進むものを時の流れに逆らう如く我は独り書肆から書肆へと塵に埋もれた大正の夢の残滓を求め彷徨えども、それは陽炎のように揺らめくばか…

レミゼ、夢二~諸々雑記~

◆ 桜花咲き誇り、人々はそのもとに集い賑わうのが世の常なりしが、それをよそに我ひとり己の殻に閉じこもり、思索に耽るもそれにも倦み果て、長い長い物語の世界に入り込まんと古き書の塵に埋没しおりし隙に、いつしか落花盛んと花びら降りしきり春を惜しめ…

「昭和幻燈館」

アメブロのほうで、久世光彦氏の作詞作品について触れて、そこから、ふと久世氏の「昭和幻燈館」というお気に入りの本を久々に読み返した。

続・青い部屋

青い部屋、いや「ユージニア」を読んだ感想を。 結局、図書館にハードカバーのがあったので借りた。昨日の午後から夜と読み進め、今日の夕食後に読み終えてしまった。 この超遅読なわたしが400ページ(実際に何ページあるか見たら444ページ、いやな数字…)以…

青い部屋

売り払ったり、手放した本をまた読みたいと思ったことはあるだろうか。わたしはかつて、結構な量の本を売り払い、まぁ多少、手放して後悔した本もあったけれど、売ったのと同じ本を買うことはなかった。 しかし!今、かつて持っていたあの小説を無性に読みた…

大正の童謡と少女小説と~哀しみのモチーフ~

大正の童謡と少女小説といっても、野口雨情の「十五夜お月さん」と吉屋信子の「花物語」についてだけ。 去年書いたフォレスタ『歌謡史~明治・大正~』の記事で「十五夜お月さん」について少し触れたが、それを補足するようなことを少し書きたくなった。 こ…

<筑豊むらさき小唄>~呪師と施療~

<筑豊むらさき小唄>とは寺山修司の「花嫁化鳥」という、寺山が日本各地のとんでもないところばかりを訪ね歩いた紀行エッセイ集の中の一篇である。 どんな風にとんでもないのかというと、キリストが日本に渡来し、青森で死んだ(106歳で)という奇想天外…

平安あれこれ~諸々雑記~

去年の今頃、わたしは一年先取りするように平安ブームであった。古典を読み漁り、京都の風俗博物館にも行った。 heliotrope.hateblo.jp 今年の大河には何らの期待もなく、見る気もないが(そもそも毎年見ていない)、それでもドラマの影響で、紫式部や清少納…

黒百合は毒の花~「海の極みまで」~

前回の<麗子さまセレクション>で、ちょっとだけ触れた「黒百合の歌」のこと。歌の動画はなかったけれど、麗子さまのインタビュー動画はあった。それによると、この「黒百合の歌」は映画「君の名は」第二部の主題歌だったという。(知らなかった、第二部が…

吉屋信子生誕128年~「花物語」の中の図書室~

1月12日は吉屋信子先生の誕生日。 1896(明治29)年の生まれ。 去年は没後50年だったが、生誕何年かというと128年だった。御命日は失念していたが、誕生日には記事を書こうと思っていた。(そういう記念日に関係なく吉屋信子について書いてい…

大正レミゼ~弁慶縞のスコットランド兵~

三が日の休みのうちにレミゼの第一巻を読み終える気でいたが、できなかった。夕べから、また少し読む気になり、第二部に入ったところだが、これは突っ込み入れずにいられない!という、面白い訳があったので書き留めておく。 <膝を露わにした弁慶縞の外套を…

<初暦知らぬ月日は美しく>~諸々雑記~

<天空に登る龍 藤城清治>(ポストカード) <初暦知らぬ月日は美しく>吉屋信子先生の句である。毎年、元日にはこの句に思いを馳せる。どう意味をとらえようかと。そのままでいいんだろうが、いつもわたしは知らぬ月日を美しいとは思えなかった。それは、…

ずっと持っている本~美と記憶の固定点~

(今日のタイトルもAIを参考にした) ずっと持っている本、といっても、残しておこうと思って、意識的に残しているつもりはなく、本棚の見直しをして、ああ……これ、まだあったのか……と感慨深くなり?今まで本は何度も手放しているのに、なんでいまだに持って…

「花かそもなれ」~幻の歌~

100年ちょい前の「花物語」の<白百合>の「噫無情」の活動写真をめぐる話に興味を引かれ(感化され?)レミゼを読む決心をしたわたしだが、この<白百合>の話にはまだ気になることがある。 「花かそもなれ」という引用されている歌のこと。 「神、花の…

西條先生の「花物語」~最近、買った本~

岩波文庫のレミゼだけでなく、こんな本も買っていた。 西條八十の「花物語」……!! 「人食いバラ」も相当気になるタイトルだが、わたしはこの「花物語」のほうがず~っと気になっていた。 無名作家の亜流作品ではなく、有名作家の亜流作品!(笑)

「花物語」~働く少女~<ヒヤシンス>~

「花物語」は寄宿舎の女学生の話ばかりではない。教師や看護婦など働く少女の話もある。特に、大正後期の不景気な世相を反映するように、経済的な理由で女学校をやめて働きに出る少女の話もある。「ヒヤシンス」は珍しくオフィスもので印象深く、タイピスト…

「噫無情」~1917年の活動写真~

ユーゴーの「レ・ミゼラブル」を読もうと決めた。そのきっかけは、このところ吉屋信子作品を集中的に再読していて、「噫無情」の活動写真についての記述があって、とても気になったから。

「わすれなぐさ」の挿し絵~高畠華宵の場合~

「返らぬ日」同様、「わすれなぐさ」も今年、河出文庫から出ている。 それは現代のイラストレーターによる装画だった。 わたしが持っている国書刊行会の復刻版の「わすれなぐさ」は中原淳一の絵だが、高畠華宵による挿し絵もある。 セーラーに細いベルト(随…

「返らぬ日」

西條八十の「人食いバラ」からの流れで(どんな流れ!笑、ゆまに書房つながり?)信子先生の「返らぬ日」も再読し、<センチメンタルセメン樽>(by「わすれなぐさ」笑!)にはまり込み抜け出せないでいたこの頃。(冬とも思えぬ陽気のせいでどうかしていた…

吉屋信子没後五十年に寄せて~鈴蘭忌(仮)~

作家の命日には桜桃忌や檸檬忌など(乱歩は石榴忌らしい)作品などにちなんだ名を冠した<文学忌>がつけられています。 では、吉屋信子の文学忌はなんというのか?リスペクトしているといいつつ、知らなかったわたしはネットで検索、名前そのまま<信子忌>…

芦雪犬に夢中~日本画の犬~

この前の長沢芦雪展で買った犬のクリアファイル。 ダブルファイルになっている。多分使わず、眺めて愛でる用。 <花鳥遊漁図巻>という題で、この作品は後期の展示。 この身悶えせんばかりの心和むかわゆさ!!わちゃわちゃした感じ!楽しい。癒される。 シ…

吉屋信子作品に引用された「枕草子」

わたくしこと香水草は、吉屋信子先生をリスペクトしています! 吉屋信子作品に引用された「枕草子」。 「枕草子」が全段載った本というのはないと思うが、ネット上では全段を掲載しているサイトがいくつかあって、引用されたのがどの段か確認した。 「源氏物…

ブルーベリー・レアチーズケーキ

シャトレーゼのブルーベリー・レアチーズケーキを食べた。ガトー・ショコラも食べたが、断然このケーキのほうが印象的。いちごショートよりも、フレッシュで艶やかなブルーベリーがたくさん載っていて、魅力的に見えた。そして、280円(税抜き)という値…

大正十年の死刑囚の元妻 <後篇>

ごきげんよう。 本日は前回の大正十年の死刑囚の元妻<前篇>に引き続き、後篇です。 「裁かれる大正の女たち」では<鈴弁殺し>の話は本筋ではなく、男尊社会を象徴する挿話の一つとして出てきます。(ここでは、<つぎ子>ではなく、<次子>と漢字表記さ…

大正十年の死刑囚の元妻 <前篇>

ごきげんよう。 本日は大正8年に起きた殺人事件、<鈴弁殺し>を取り上げた雑誌記事について語らせて頂きませう。 この話は大正時代の雑誌・新聞が加害者家族をどう扱っていたかの一例であります。 この鈴弁殺しの犯人・山田憲の元妻・山田つぎ子自身は犯罪…

大正十二年の夏休み~「鉛筆」~

<大正十二年の夏休み>という題で小説、書きたい。 元ネタは信子先生の「黒薔薇」所収の「鉛筆」という、ごく短い短篇。 ごく短いからこそ、いろいろ想像がふくらんでしまう。短く削ぎ落とされ、想像の余地というか、余白があるからこそいいのかもしれない。…