浪漫草紙

~生れる前の昔恋しき~

出入橋きんつば屋 

それは遠くからでも、すぐにわかる。
公園か神社のように…いや、森のように樹木が鬱蒼と生い茂っているが、そのどれでもない。

かつては庄屋で、今も一帯の地主の屋敷である。
屋敷…といってもその全貌は見たことがない。
立派な門構えがあって、そこから玄関までどのくらいあるのか窺い知れないが、塀からは上へ上へと枝が伸び葉が茂り、鬱蒼とした緑を見上げて、ふと「マンダレイみたい…」と思ったのだった。

<マンダレイ>

モーリアの「レベッカ」の冒頭で語られる荒廃した庭の場面を思い出したのだ。
マンダレイとは、まぁ地所の名前で、その屋敷と庭も含むのか…かたやイギリスの小説の領主の城館とその屋敷、かたや日本の旧家の屋敷。
それほどに、あそこの庭の木々の猛々しい凶暴な生命力を恐ろしいとさえ思った。
緑なす、なんて風情じゃない。緑の天井というほどに覆われている。
家そのものは昔の勢いをなくしているのかもしれないが(よぉ知らんけども)自然の逞しさに恐れ入った。
松の木などは植木屋が入って、手入れはされているようだが、それ以外は放ったらかしなのではないか?という印象。
何か未知の獣や昆虫が蠢き、棲息していそうな雰囲気。(ジャングル?)
セミが鳴く頃は凄まじい。蝉時雨なんて風情じゃない。蝉豪雨。轟音。

とまぁ、今日も自分の見たものを小説風?に書いてみたかっただけ…。

えぇ…これをヒントに日本版マンダレイの物語を…練らない!
日本版マンダレイて…庄屋の話ならば「紀ノ川」みたいになりそうやないか…。

出入橋とは、なんの関係もない長すぎる前置き…!

 

<あんこの記録>

大阪できんつばといえば、ここ!という有名な出入橋きんつば屋のきんつばを初めて食べた。

出入橋きんつば屋…シンプルな店名である。

10個入り、わたしが食べる時にはこの状態。

木の皮で包まれている。

思ったよりも小ぶりで、3個食べてしまった。(喜八洲で見たきんつばは、ほんま大きかった…)

甘さは控えめ、皮も美味しかった。
皮が薄いし、あんこそのものを食べている!という感じ。